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1度使えば病みつきになる、中村印刷所「水平ノート」と開発の裏側
みなさんはノートをどんなふうに選びますか? 住宅街にある小さな印刷所から発売されたノートは、2016年1月に日本のTwitter上で「使いやすい!」と話題になりました。それが中村印刷所の「水平ノート」です。
ノートを使うときに多くの人が気にかけることと言えば、ノートの反り返り、ページとページの間に文字が書きにくいということではないでしょうか。
そんな困りごとを解決したのが、老舗の印刷所で作られた「水平ノート」と呼ばれる種類のノート。どのページを開いても書きやすくなるよう工夫を重ね、ひとつひとつ手作りされています。
今回は、ノートを製造、販売している場所へ行き、水平ノートの開発秘話を伺ってきました。
下町の老舗工場 中村印刷所
JR埼京線「板橋駅」から徒歩5分、狭い路地を入っていくと、小さな印刷所に到着します。ここで作られている「水平ノート」が、2016年1月に日本のTwitterでとても話題となりました。
話題となったきっかけが、水平ノートの商品のひとつ「方眼ノート」。見た目はほかのノートと変わりませんが、「書きやすい!」と人気です。
水平ノートを作成している中村印刷所は、創業110年の歴史を持つ家族経営の会社。現在は2代目の中村輝雄社長(以下、中村社長)が経営しています。
初代から印刷事業に取り組み経営を進めていましたが、中村社長が経営者になりしばらく経つと、電子化の波が押し寄せ、紙印刷のニーズは徐々に少なくなってしまいました。
同業者は次々に店を閉じ、中村社長は次なる一手を考えなければならなくなってしまったのです。
危機を感じ、約5年前にはある展示会へ新商品をもって参加をしました。海外の方をターゲットとし、旅のチケットやスタンプをコレクションするためのノートを出展するも、反応はいまいち。悩んでいたところに、「日本の学生にぴったりのノートを作ってみたらどうですか?」とアドバイスをくれた方がいました。
この言葉をもとに、中村社長は再び新しいノート作りに取りかかります。